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植物管理の実証実験
草原管理のため実証試験地の見回りに行ってきました。

 平成17年6月20日に、環境省で進めている草原管理のため実証試験地の見回りに行ってきました。
  長年の間、野焼きや採草を行わずにいた草原でしたが、今年の春に野焼きを行いました。緑の夏草茂る草原に、採草地に特有の花々が咲いていましたので、花の話題を少しばかり。

マツモトセンノウの写真
 マツモトセンノウ(別名・ツクシマツモト)は、ナデシコ科の被子植物の一つです。名前の由来は、松本幸四郎の家紋に似ていたことからこのような名前になりました。大陸系遺存種の一つで、九州と大陸が陸続きだった氷河期に、中国大陸から渡ってきて、高冷地で草原の広がる阿蘇に残ったそうです。
  環境省のレッドリストでは、絶滅危惧TB(TAほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に指定されており、20年後の絶滅確率は80%という悲しい予測がなされています。草原植生が野焼きや採草の停止により藪化すること、草原が畑や牧草地に開墾されること、園芸用の採取等が減少の主要因です。「阿蘇草原再生」で野草の利用価値を広く認め、採草を促進することが、この種を守ることにつながります。
イブキトラノオの写真


  イブキトラノオは、阿蘇の草原の湿った所を好むタデ科の植物です。
大陸系遺存種と同じように、まだ日本列島が寒かった頃、本州を南下してきて阿蘇に残った「北方系植物」と言われています。
このように阿蘇にはいろいろな由来・背景をもつ植物が混在しているため、600種と言われる植物の宝庫になっているのでしょう。
ユウスゲの写真

  ユウスゲは、採草地に多いユリ科の植物であり、これからの夏の草原を彩る美しい植物です。夏の草原に夕方から咲き始めることから、この名前がついたそうです。阿蘇の登山道路沿線では、このユウスゲが一面に咲き誇ります。夏にユウスゲの揺れる草原に、再び秋に足を運ぶと、そこが採草地であることに気づくはずです。阿蘇の草原では、草を刈ることで多くの花が咲くのです。

  これら阿蘇の草原を彩る美しい花々ですが、採草がされなくなることで、どんどんと生育環境が失われています。心ない方々による採取もあとを絶ちません。採らないことはもちろんのこと、いつまでも絶えないよう適切な管理手法と採草を促進するための手段を考えていきたいものです。
アクティブレンジャー  宮川 将一

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