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トピック

【報告】「阿蘇草原再生に関する意見交換会」が開催されました。


開催日時:
平成17年2月4日(金)13:30〜16:00
開催場所:
阿蘇いこいの村 会議室
対象:
阿蘇郡内牧野組合員、行政・関係機関担当者 等
参加者:
合計75名
(牧野組合:17牧野/42名、行政(県、町村):7名、関係機関:7名、
大学研究機関:6名、NGO・NPO:3名、主催者/事務局:10名)
概要:
 阿蘇の自然環境を将来にわたって保全していくため、平成15年度から実施してきた調査・事業のさらなる展開や、草原再生の事業化に向けた検討を進めていくにあたり、実際に草原維持活動を担う阿蘇郡内の牧野組合や町村・関係機関などの皆様を対象に、意見交換会を開催しました。
 当日は、これまでの調査・事業の実施報告とともに、地域内の活動団体による取り組みの紹介を行ったうえで、今後の草原維持・保全・再生について、参加者の皆様から忌憚のないご意見を伺い、阿蘇草原再生事業の推進に向けて牧野組合員や関係機関の方々とのコミュニケーションの緊密化を図りました。
プログラム:
(1) 開会あいさつ
環境省自然環境局阿蘇くじゅう国立公園管理事務所長 新井正久
(2) 阿蘇草原再生の取り組みの全体像について
(3) これまでの調査・事業報告
(4) 地域内の関連する取り組みについて
−グリーンストックにおける阿蘇の環境保全と地域振興の取り組み
−NPO法人九州バイオマスフォーラムの取り組みについて
(5) 阿蘇草原再生の事業化に向けて
(6) 意見交換
(7) 閉会あいさつ
意見交換:

<今年度実施事業について、協力牧野組合、協力者からの補足説明>
●モーモー輪地切りについて
 モーモー輪地切りを導入して非常に輪地切りが簡単になり、地元でも続けてほしい意向である。電気牧柵の設置・撤去の手間を省力化するために、山林際は有刺鉄線の牧柵を利用するという事も考えて頂きたい。水さえあればどこでも簡単にできて草原再生にも役立つし、牛が野草を食べるので、畜産においてもいい成績がでている。

●「再草原化に向けた実証試験」について

 慈門坊牧野では、高齢化、後継者不足で放牧ができなくなり、平成元年頃から野焼きをしていなかった。昨年から、牧野の半分位は畜産農家に貸付けているが、その他、100町歩ほどの管理について役場に相談したところ、グリーンストックさんの応援による野焼き再開の話があり実施に至った。昨秋、輪地切り・輪地焼きをしたが、ボランティアの方が地元の人以上に働くので感激した。現在、組合員の2/3が65歳以上であり、草原を守っていくためには今後もボランティアの力が必要かと思っている。

●「都市住民による草原維持活動支援モデルツアー」について
ツアー当日は雨が降ったため、参加者には鉄条網修理の手伝いをお願いした。2日間の作業で台風により破損した鉄条網の修理を終えることができた。作業で心配なのは危険が伴うということ。有刺鉄線で新調のカッパが切れて残念がるということもあったが、「またやってみたい」「いい経験だった」「牛を間近に見て感動した」という感想を聞き実施してよかったと思う。
 学生達にとって、ツアー参加は草原の価値を知るいい機会になった。参加する学生の送迎をしたが、学生は足がないので現地まで行く手段を何とかしてもらいたい。また、家から家の保険の整備が必要だと思う。
 参加した学生は授業を休んできた。学校の単位に組み入れるなど、教育機関と連携できればもっと多くの学生が参加できるようになるのではないか。
 福岡の専門学校によれば、休みにせずに参加できるようにすることは可能ではないか、ということだった。そのための条件整備が必要であるが、そうできれば誰が来るかがはっきりするし、阿蘇の草原のことを理解するということで意味がある。

●「草原再生シールによる商品づくり」について
野草堆肥や、野草そのものを利用して生産した農産品を対象として実施しているが、生産者自身が野草利用についての意識、信念をしっかり持つ必要がある。今後は生産可能な方を募って輪を広げていくことや、生産者間で話し合ってしくみを確立することが必要だと思う。
直売所ではシールを貼ってからの方が売れ行きがいいようである。

<草資源の流通について>
●行政、関係機関等との連携により草資源流通センター構想の実現を
 昨年末、県の牧野活性化センターの斡旋で、畜産農家に乾草を流通させる話があったが、カットしていない飼料では入手後の手間がかかるということで、取引は成立しなかった。バイオマスフォーラムの草資源流通センター構想は、行政機関や活性化センターが連携して、是非早い時期に実現してほしい。
バイオマスフォーラムでは経済産業省のコミュニティビジネス調査事業で、平成16年度は草資源の活用可能性、需要、流通について調査、来年度は実験的な事業で500トン位の野草の流通ができないかと考えている。牧野活性化センターやJAなど関係機関との連携についてはその中で検討していくことになるだろう。

●菊池と阿蘇地域の連携による草資源流通の推進
 昨年は台風の影響で草が不足したため、牧乾草の斡旋について菊池の方から活性化センターに相談があったが、草を細かくカットしたロールを希望していたため条件と値段が折り合わなかった。JA菊地とJA阿蘇は粗飼料、稲ワラの流通について協定を結んでいる。牧乾草は活性化センターが仲介してカットしたロールを25円/kgで数百個を流通させている実績がある。条件の折り合いが難しい面もあるが進めていきたいと思っている。

<牧野の放牧利用について>
●預託放牧を進めるためには仲介組織が必要
 牧野面積は広いが牛が少ないため、もっと牛を増やしたいと思っている。預託放牧では、平坦地の牛は抵抗力が弱いことや、牛の事故対策などの問題があるため、牧野組合と預託する畜産農家を仲介する組織体があるといい。野草地は野焼きが維持管理の最低条件であり、希少植物などを維持していくには放牧が欠かせない。

●県/関係機関が仲介して、預ける側と預かる牧野組合との意見調整を推進
 平坦地からの放牧を受け入れる熊本型放牧事業は、徐々に受け入れられる状況になりつつあるが、普及していくには、牧野の受け入れ条件、牧野の状況、人の問題、行政の協力、衛生検査等がうまくいかないと、簡単にはいかない部分もある。
 菊池から繁殖牛300〜500頭を預託したいという申し入れもある。最終的には牧野組合にとっていかに収益になるかが重要であり、牧野活性化センターを中心に広域放牧や採草を進めながら牧野を活性化していきたい。
 広域放牧を進めるためには、預かる側となる阿蘇の牧野組合、預ける側の平場の畜産農家、双方の意見交換の場が必要であり、畜産協会では本格的に取り組みたい。牧野組合の運営は補助事業で支援していかないと大変な状況であり、預ける側には、牧野組合の運営も考えて頂かないと実際はやれないことを納得していただき、預託料はお互い歩み寄ることができればという希望を持っている。

<その他>
●阿蘇草原の歴史的遺産、草原文化の保全、活用を
 昭和初期に先人が苦労して作った歴史的遺産である「トモ」(土塁)を観光にも活かしたり、刈り干し切り、草小積み、草泊まりなどの作業を録画して残し、今までの苦労、草原のあり方を都会の人たちに教えていくということも手ではないか。人吉の人からカヤを切ってほしいとの要望があり、そういったことも地域の中で考えていったらどうか。

●GISによる情報整備、情報の共有化を
 これまでの会合や調査の蓄積、牧野についての詳細な情報が入手しにくい。特に牧野の情報は、誰でもがパソコン上で情報を共有化できるようにGISデータベース化をしていただきたい。

会場の様子:
 

 
発信者:
阿蘇くじゅう国立公園管理事務所


 
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