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トピック

【報告】 阿蘇草原再生に関する意見交換会「草原再生を支える都市・農村交流に向けて」
(第2回「情報発信・合意形成に関する検討部会」が開催されました。

開催日時:
平成16年2月25日(水) 9:30〜14:00
開催場所:
ホテルサンクラウン大阿蘇
概要:
 第2回「情報発信・合意形成に関する検討部会」は「草原再生を支える都市・農村交流に向けて」と題して、都市と農村の交流・連携を進めていくための情報発信のあり方や、牧野を利用したエコツアーなどを具体化していくために必要なルールづくりについて、阿蘇に関わる多くの方々との意見交換を行いました。
 本会では、宮口委員(早稲田大学教育学部教授)、高橋氏(阿蘇自然案内人協会会長)の基調報告、2つの交流分科会、各分科会での成果をまとめる全体会、あか牛料理を味わいながらの懇談会が行われました。地域内外から総勢60名を超える参加をいただき、活発な意見交換会となりました。
 また、阿蘇テレワークセンターの協力により本会の様子をインターネットから生中継する試みも行われました。

地元からの報告の様子
全体会の様子
会場の様子
昼食会の様子

基調報告:
「農山村の人間論的価値と阿蘇の魅力」
   早稲田大学教育学部教授 宮口 

 "草原"は阿蘇の特徴であるが、それは国内に草原でないところのほうが多いからこそ特徴として成り立つ。
 阿蘇の草原は自然の風景ではなく人為的に作られたものであり、野焼きなど人の"ワザ"によって維持されてきた。この"ワザ"が感動を生んでいる。
 日本でも、ようやく地域の独自性の価値が見直され始めた。都市が発展する原理と、村がいい村になる原理は別である。定住人口が増えるより、少ない人間で上手くやる方が望ましいのではないか。
 阿蘇の農業のやり方には工夫がある。見る、食べる、遊ぶ、などいろいろなやり方が複合的に存在するのが現代の農村の価値だと思う。
違った目を持っている人は、違ったことに気が付く。そういうことをお互いに吸収するのが、交流による成長だといえる。

「自然案内人が伝える阿蘇の草原と文化」
   阿蘇自然案内人協会会長 高橋佳也氏

 通過型観光からの脱却を目指し、阿蘇の素晴らしさを伝えていくために案内の専門家が必要だった。プロの養成、後継者の養成、各人の知恵を将来に残すというという観点から、阿蘇自然案内人協会が立ち上がった。
 阿蘇の草原文化をエコツーリズムの中に生かしたい。
 阿蘇には「下野の巻狩り」という狩りの文化をはじめ、神話、滝沢馬琴の小説「椿説弓張月」、為朝伝説、天台宗比叡山の末寺である古坊中を中心にした仏教文化、能楽、虎舞・牛舞などの農耕につながりの深い舞など注目すべきものは多い。今後は、これらを伝えていきたい。
第1分科会
「都市・農村交流の推進と草原再生に向けた情報発信」:
<都市・農村交流について>
 都市と農村のつながりの認識には、子どもの頃からの体験が大切。
 阿蘇の価値・見せ方は、外からではなく内からの発想や知恵から生まれるものであり、地元で取り組んでいる人たちをどう応援していくかという視点が欲しい。
 満足度が高い時間の過ごし方をしてもらえれば観光客の数は減っても良い。感動してもらえれば、再来にもつながる。
 都会の人には、まず農業の現場を見てもらい、食物への理解を深めてもらいたい。
 修学旅行生の受け入れでは、子供の意欲、理解力を高めるためにも事前学習が大切。
ファームスティ受け入れ農家の負担を減らし、また、子供たちも伸び伸びと体験できるような「丸ごと農家体験」の時間と場所の提供が必要。

<情報発信について>

 子供たちに地域再生や草原・環境問題を上手く伝えていくための教材の開発や情報提供システムの構築が必要。
 熊本市内など阿蘇周辺に住む社会貢献を望む元気な中・高年層に向けた情報発信を考えてもらいたい。
情報発信も、地産地消。地域の人がホームページの作成に携わるなど地域活動と密着した情報発信やコンテンツづくりをしなければならない。

第2分科会
「都市・農村交流への牧野の活用とルールづくり」
<牧野の活用に関する牧野側の意向>
 現在は牛の放牧をしていないこともあり、私の牧野ではなるべく観光客を受け入れていきたい。
 畜産農家としては草地への人の立ち入りは一番困る。草原に入る観光客のゴミの後始末などのマナーがあまりにひどい。都市から人は来てほしくない。
 修学旅行生の輪地焼き体験に協力し、子供たちに感動を与えられたし、自分たちも充実した時を過ごせた。今後は、協力する組合員に対し資金面での援助ができるようになればよいと思う。

<牧野の活用に関する観光業者側の意向>
 草原を景観としてだけでなく、体験の場として活用していくことが新たな阿蘇観光の1つの切り口になると思う。

<牧野利用のルール・条件>
 牧野組合として牧野を利用する時に守ってもらいたいことは、牛が逃げださないよう、牧野の門扉をきちんと閉めること、車を乗り入れないこと、ごみをきちんと持ち帰ること、湿地には入らない、牧場内に自生している植物などの採取をしないことなどである。
 牧野の利用に際しては、牧野側にメリットを提供することも必要。

<地域での教育や環境保全への取り組み>

 地元の人が地域のことを知り、かつ誇りを持てることが重要であり、感受性の強い小学生の頃から野焼きの見学・体験などをさせるべき。
 草原の谷間などに農業用資材や粗大ゴミが捨てられているのを見かけるが、農村の人々にも環境を大切にするという心構えが必要。
第3部 全体会
<草原再生に向けた都市農村交流に向けて>
 原野は先祖からの遺産。自分たちの財産と考え、守り伝えていく義務があると思う。
 雪焼きや夜の野焼きなどは自然の理にかなった昔からの知恵。現在は法的に許可が下りないものもある。特区などを利用し、阿蘇発の新しい制度作りを世間に働きかけてもよいのではないか。
 草原は宝物だという共通認識を持って、都市・農村交流に取り組んでいく必要がある。
 儲けだけを追求すれば、いずれは見向きもされなくなる。都市の人と語り合いながら、精神的な喜びを伴う交流を続けることが重要。
 観光業者と地元の農業者間の交流がない。共通の体験をしてみることから始めるべきではないか。
 交流によって人や物の循環をつくり出していくと、そこに様々な役割が生まれる。福岡や熊本まで視野に入れ、いろいろな立場の人がいろいろな縁を結び、それを経済的な付加価値にまでつなげていくことが大事。
 草原を利用した自然体験・エコツアーについては、ルールを設けることでゴミ問題などに対処していくことは可能。また、受け入れ態勢として窓口を一本化したほうが、送客側の支持はより高まるし、成功する。
 年配の方は名人・達人の宝庫であり、大いに活躍してほしい。

懇親会 
(昼食会)
 全体会に引き続き、昼食会を兼ねて懇親会が開催された。昼食会には「レストラン燦」からあか牛料理が提供された。料理に使用された食材のほとんどは、地産地消を意識し、阿蘇産のものとのことだった。
掲載日:
H16.03.22
発信者:
阿蘇くじゅう国立公園管理事務所
詳しくはこちら:
議事録・配布資料・出席者一覧

 
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