ついつい子どもに伝えたくなる!! 阿蘇の草原ハンドブック このウィンドウを閉じる
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草原の危機ってどういうこと?
 阿蘇の草原は、人々が放牧や採草、野焼きを行いながら、地域の自然に合ったかたちで利用することで守られてきました。しかし、草を肥料にするかわりに化学肥料が使われることが多くなったり、牛を飼う人が減ったりしたことで、人々の生活に、草があまり利用されなくなりました。たくさんの草が必要だったころには、残さずに草を刈り取って利用されていた草原も、草刈りや野焼きをしないところがでてきました。ヤブになったり、植林されるところが増えて、草原の面積は昔に比べて減っています。



人が手を加えてできる自然も大切


 「自然」と聞いた時に、みんなはどんな所を思い浮かべるかな?山奥の巨木が立ち並ぶ森?それとも地平線まで続く湿原?もちろん、これらも自然だけれど、このような人の手が加えられていない自然に対して、日本には多くの「二次的な自然」があるんだ。「里山(さとやま)」という言葉を聞いたことがあるかな。農業や生活と結びついて、人が手入れをしてできた自然のことを「二次的自然」というんだ。阿蘇の草原は、この二次的自然の代表選手で、ここでは、森には住むことのできない生きものたちが、人と共に生きてきたんだよ。その中には阿蘇にしかない植物もある。それらを守るためには、これからも人が手を加えながら自然と上手につきあっていかなければならないんだ。


採草や野焼きをしなくなった草原はどうなるの?

 
  阿蘇の草原が一面に緑になる春から夏の時期に、いつまでたっても茶色い草原が目につくことがあります。これが手入れをされなくなった草原の姿です。このような草原が増えると、枯れ草がたまって山火事がおこりやすくなったり、雨で土が流されやすくなったりします。また、千年という時間のなかで育てられた草原の文化も失われます。そして、世界中で阿蘇にしかない貴重な植物たちも育つ場所をなくし、二度と見ることができなくなってしまうかもしれません。


 草原が生んだ文化・技術

 秋の草刈りに草原で寝泊りするための草泊まり(草のテント)や野焼きで複雑な風や火の動きを読んで行う火入れの技術など、草原との関わりから生まれた文化や技術はいろいろある。 その一つとして、阿蘇では8月のお盆に、草原の野の花をつんできて祖先のお墓にそなえる風習があるんだ。昔は、花がたくさん咲く草原を「花野」と呼んでいた地域もあったくらいで、すぐに両手いっぱいの花を摘むことができたんだ。今は、草原の環境が変わってきたために絶滅が心配され、採るのを禁止されている花もたくさんあって、見るだけで楽しまないといけない。豊かな「花野」を守るには人と自然が上手に付き合うことが大事なんだ。

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