千年の草原を子供たちに引き継ぐために

−阿蘇草原再生推進計画−

阿蘇草原再生の基本的な考え方

 阿蘇の草原においては、原生的な自然ではない、長い歴史の中で人手をかけて作られてきた草原という二次的自然の保全・再生が求められています。この人々のいとなみにより維持されてきた阿蘇の草原における自然再生の推進にあたっては、次の基本的な考え方に特に留意して進めるものとします。


考え方 1牧野組合等地元関係者に密着した取り組み

  阿蘇の草原は、これまで長い間、牧野組合を中心とする地元の人々のいとなみとして管理がなされ、草原環境が守られてきたものであり、今後も地元の人々を中心に維持管理をしていくことが不可欠です。そのため、地元の人々が培ってきた草原を活用・維持する知恵を尊重し、地元関係者と一緒に考えるという視点を持って草原再生を進めていきます。

考え方 2草原環境の象徴としての草原景観を重視した取り組み

  日本一の広さを誇る阿蘇の草原は、国立公園を訪れる多くの人々を魅了する景観であるとともに、地元の人々にとって心休まるふるさとの風景です。人々はこの草原景観に接することで阿蘇の草原環境の素晴らしさを実感できます。そのことを踏まえ、阿蘇の草原再生を進めるにあたっては、草原景観を阿蘇草原再生の象徴として捉えて取り組みを進めていきます。

考え方 3草原環境の学習と体験を通じた保全意識の普及

 人の手により維持されてきた阿蘇の草原環境は、多様性の高い二次的自然が多く残る日本の自然環境の象徴ともいえます。この貴重な草原環境を学習し、体験してもらうことによって、草原環境を保全・再生していく意識を広め、多くの人々の理解と参加を得ることが重要です。そのため、子供たちをはじめとする阿蘇地域内外の多くの人々に草原環境を学習し、体験してもらうことにより草原環境の重要性が理解されるようにしていきます。

考え方 4草原維持・再生の活動への参加者の拡大と定着

  阿蘇の草原は、非常に多くの人々の技術・知恵・労働で支えられてきました。しかし、有畜農家の減少や生活様式の変化等により、地元の方々だけでは管理が困難となっており、財団法人阿蘇グリーンストックがボランティアにより野焼き等の管理に協力している事例も広く見られるようになってきています。こうした草原の維持・再生の活動への参加者を今後とも拡大し、定着するように支援をしていきます。

考え方 5NPOや関係行政機関などさまざまな主体との協働

  阿蘇の草原再生は、地域の人々の生活や農畜産業と密接に関わっており、さまざまな主体が草原の維持・保全に関わっています。さまざまな主体がさまざまな視点から草原再生に関わることが、総合的な取り組みを進める上で重要であり、関係行政機関やNPO等各種団体との協働を進めます。

考え方 6活動の継続を視野に入れた社会経済的な仕組みの検討

 阿蘇の草原は人が管理をしつづけることによって成り立っており、その保全・再生は、継続的に維持管理を行わなければ成り立たないものです。そのため、地元において草原の維持管理活動が継続できるよう、社会的、経済的な仕組みづくりを念頭においた検討を進めます。

考え方 7科学的知見の活用や実証的な手法による順応的な進め方

  阿蘇の草原再生を進めるにあたっては、科学的知見の収集、活用に努め、科学的知見が十分でない部分については、実証的な手法により自然と調和した手法等を検討するとともに、モニタリング等により検証を行うことで、順応的に進めていくものとします。また、得られたデータについては、広く公開し、さらに多くの知見の収集に努めることとします。


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