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関係者インタビュー  

子供たちに阿蘇の草原のよさを伝えたい
坂田菊美氏インタビュー 

<プロフィール>
阿蘇市立坂梨小学校教諭、阿蘇市在住

 

 

坂田菊美氏の写真

質問

 

以前、総合的な学習の時間を利用し、草原をテーマにした授業をされたそうですが、どのような授業をされたのか教えてください。

 私が勤務している坂梨小学校では、平成2年7月2日に地元坂梨地区で発生した、死者11名を出す大水害を教訓に、翌年から毎年「自然環境・命」について学習する「7.2学習」を行ってきました。総合的な学習のうち15時間をこの学習にあて、「7.2水害」のほか「川の水生生物」「阿蘇の野の花」「リサイクル体験」の4つのグループを作り、それぞれのテーマに基づいて授業を行いました。

 「阿蘇の野の花」グループは、私自身が阿蘇の野草について調べてみたいと思っていたのがきっかけで作ったもので、阿蘇の植物に詳しい地元の方にご協力いただき、阿蘇にしかない草花を調べたり、校庭の花壇にその植物を植えてその成長を観察したりしました。おさらいとして、サクラソウ自生地でもある北外輪の草原に、実際に草原の草花を観察に行きました。

 最近の子供たちは、阿蘇に住んでいても草原に行くことが少ないので、実際に草原に出かけるということは、新鮮だったと思います。


質問

先生が、阿蘇の野草に興味をもたれたのはどのようなことがきっかけですか。

 私は、阿蘇の草原が一望できる大観峰の麓で生まれ育ちました。私が子どもの頃は、学校の遠足で草原に出かけ、ワラビを採って持ち帰ったものです。親せきの刈り干し切りなどの作業にもついていき、草原の中で間近に作業を見たり手伝ったりしました。こうした経験から、草原をとても身近な存在として感じてきたのだと思います。今でも阿蘇の草原の風景はきれいだなぁと思いますし、草原に咲く草花にもたいへん興味をひかれます。

 今の阿蘇の子どもたちは、こんなすばらしい阿蘇にいながら、草原に行く機会も草原のことについて話を聞く機会も少なくなっているので、残念に思います。


質問 学校の授業で阿蘇の草原をテーマに取り上げてもらうことはできるのでしょうか。例えば、環境省では、講師を派遣して阿蘇の草原の魅力を伝える「出前講座」を実施していますが、こうした企画の活用は考えられるでしょうか。

 草原は、地域学習や自然保護などをテーマにしている総合的な学習の時間などでとりあげることができる題材だと思います。しかしながら、草原について子供たちに教えられるほど、私たち教師が草原に関する知識を持っているわけではありませんので、環境省が実施している出前講座は魅力的です。もっと積極的に学校に働きかけていただければ、活用する先生や学校も増えると思います。

 それから、せっかく草原について学習するのであれば、教室だけではなく、実際に草原に出かけて体験をさせてあげたいと思います。しかし、さまざまな事情から、野外授業に出かけるための交通手段の確保が年々難しくなっているため、草原に行きたくても行けないのが現状です。


質問 阿蘇で生まれ育ち、阿蘇で教鞭を取る中で、子供たちにどのようなことを伝えていきたいと思いますか。

 今年の夏休み、初めて小学校の理科の先生が集まる理科部会に参加しました。実際に草原に行って、波野小学校の瀬井先生に草原に関するレクチャーを受けたのですが、草原のよさをあらためて実感しました。また、野焼きをしないと草原がヤブ化するということや、草原の斜面にみられる等高線状の模様が実は牛が歩いた跡だったということは、最近、農家の方の話を聞いて知りました。阿蘇で生まれ育ち、草原に関心があったからこそ、知ったときの感動が大きいと思います。

 阿蘇の草原との関わりが薄くなってきた子どもたちに、草原をより身近に感じてもらうことができるように、授業などで取り組んでいけたらと思います。そして、子どもたちとともにこのすばらしい阿蘇を大切にしていきたいと思っています。

 
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